目次-読みたいページに移動できます-
プールで泳いだ後に下痢の症状が出たらクリプトかも!?塩素に強い寄生虫が怖すぎる!予防法や日本の集団感染例は?
クリプトスポリジウム wiki情報
クリプトスポリジウム
学名: Cryptosporidium
門: アピコンプレックス門 Apicomplexa
科: クリプトスポリジウム科 Cryptosporidiidae
目: コクシジウム目
分類階級: 属
上位分類: Cryptosporidiidae
下位分類: 小形クリプトスポリジウム、 Cryptosporidium hominis
クリプトとは、「クリプトスポリジウム」のことでアピコンプレックス門に属する原虫です。
主にヒトを含む脊椎動物の消化管などに寄生し、分布は世界中ですが、CDC(米国疾病予防センター)の発表によると、近年、アメリカでの感染率が増えているのだそうです。
一体どんな寄生虫なのか、特徴や感染経路、予防法などをまとめました。
クリプトスポリジウムの特徴
・大きさは3μmから8μm程度まで
・見た目は類円形・楕円形で厚い壁に包まれている
・熱や乾燥には弱い
・1分程度の煮沸で容易に死滅
・紫外線処理による不活化が可能
・塩素に対しては非常に強い耐性がある
・一宿主性で媒介者や中間宿主が不要
・1907年にアメリカの寄生虫学者Ernest Edward Tyzzerによって発見
クリプトスポリジウム 感染経路
クリプトスポリジウムの感染経路は主に食品、糞口などで、口から摂取してしまう経口感染です。
過去に報告されている感染経路には下記の様なものがあります。
・プールや水遊び場
・野菜や二枚貝などの食品
・水道水
・家畜からの感染
・保育園などで病気の子供との接触 など
現在では、旅行者下痢症や水系感染症の病原体を疑う時の候補の一つとして認識され始めています。
塩素で消毒されたプールで最長7日間生存出来るという報告もあり、プールで泳ぐ際は気を付けた方がよいでしょう。
クリプトスポリジウム 集団感染例
日本を含め、世界中で集団感染例が存在します。
1993年
米国ウィスコンシン州ミルウォーキー市で、クリプトスポリジウム属原虫に汚染された水道水の摂取により患者数約 40万人が感染するという集団感染が発生しました。
1994年
神奈川県平塚市の雑居ビルで460人あまりの患者が水道水や食品を介した集団感染が発生。
1996年
埼玉県越生町感染事故では町民の70%以上に当たる約9000人が汚染水道水の摂取により大規模な感染が発生しました。
クリプトスポリジウム症とは
クリプトスポリジウム症は1976 年の初報告以来、世界各地から散発的に報告がされており、クリプトスポリジウム症やクリプト症と呼ばれています。
体内に取り込むと、
<主な症状>
・激しい下痢
・水様性下痢を主症状とする胃腸炎
・腹痛
・嘔吐
・微熱
といった症状が1週間から2週間続きます。
残念ながら治療法はまだ確立されておらず、水分や栄養分の補給、安静などの対処療法のみで自分の免疫で治す他ありません。
普通の健康体だとおおよそ2週間程度で治癒するそうですが、免疫不全患者が感染すると死に至る場合もあり注意が必要です。
クリプトスポリジウム 予防方法
感染経路から推察すると、下記の様な予防方法が有効であると考えられています。
・うがい、手洗い
・生水は飲まない
・水道水は煮沸したものを飲む
日本ではアメリカやプエルトリコに比べるとそこまで感染例が多くありませんが、夏場のプールから感染するということも念頭に置いてレジャーを楽しみたいものですね!