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幼い少女を生き神「クマリ」にする伝統があるネパールのカトマンズ盆地!クマリに選ばれる条件や今後の生活は?
ネパールには幼女を生きた神としてあがめる伝統がまだ残っています。生き神は「クマリ(Kumari)」と呼ばれ、神としてあがめれらます。前任者が思春期を迎え退任することになったため、2017年9月28日、ネパールの首都カトマンズ(Kathmandu)で新しいイキガミを選出する儀式が行われ、3歳の少女、トリシュナ・シャキャ(Trishna Shakya)ちゃんが新しい生き神として選ばれました。
クマリとは?-クマリに選ばれることは最高の栄誉
クマリ(Kumari、Kumari Devi)は、ネパールに住む生きた女神。密教女神ヴァジラ・デーヴィー、ヒンドゥー教の女神ドゥルガーが宿り、ネパール王国の守護神である女神タレージュやアルナプルナの生まれ変わりとされており、国内から選ばれた満月生まれの仏教徒の少女が初潮を迎えるまでクマリとして役割を果たす。
また、クマリには未来を予見する力があり、病気を治し、願い事をかなえ、災厄からの加護や繁栄をもたらすといった御利益があると考えられている。さらには現世と神の橋渡しをし、万人を慈しむ「マイトリ・バーヴァナー(慈愛の心)」という境地を信者にもたらすといわれている。
クマリに選ばれるための条件
●けがれのない体
●獅子のような胸
●鹿のようなもも
●いけにえにささげられた水牛を見ても泣かない(勇気の証明)
●健康である
●すべての歯が欠けていない
●菩提樹のような身体
●牛のような睫毛
●アヒルのように柔らかく透き通った声
●黒い髪と目
など、32もある条件をクリアした者がクマリとなる。健康な体や精神はもちろん、勇気も兼ね備え、また占星術で相性がいいものが選ばれる。
ちなみに、クマリに選ばれることは最高の栄誉とされています。
クマリとしての生活、そして役割
●クマリは大きなパワーを持ち、幸運をもたらすとされていることから人々の信仰をあつめる
●人々の病気の治療、願望を叶える祈願
●インドラ・ジャートラーの祭りでは、山車に乗りカトマンドゥの町を巡り人々の繁栄と成功の力を与える
●ヒンズー教の女神「タレジュ(Taleju)」の化身とされるクマリは、地に足を着けることが禁じられており、外出時には人に運んでもらう
●新居となる宮殿からの外出は、年に13回、特別な祝日のときしか許されない
●家族と離れ、特別に任じられた付き人に身の回りの世話をしてもらう
●予言者としては、役人や政府の元を訪れ供物を受け取る
●クマリの予言方法
わめいたり大声で笑う:深刻な病や死
泣いたり目をこする:差し迫った死
身震いをする:投獄
手を叩く:国王の恐れ
供物をつまむ:財務損失
クマリが静かな状態:依頼者に安心をもたらす
クマリの任期期間と退任後の生活
●退任の判断は、初潮や乳歯の生え替わり(クマリとしての神聖さを失った)
●中には初潮が来ず、50歳を過ぎてもクマリを務めているケースも・・・
●クマリだった少女は実家に帰ることが許され、普通の少女として生活
●任期中も給付があり、退任後は毎月7,500ネパール・ルピーの恩給(クマリの衣装や祭具の費用がやっとまかなえる程度)
●元クマリの女性は幸せになれない、あるいは、元クマリの少女と結ばれた男性は早世しやすいといった俗説がネパールでは長い間信じられていた
●解任された事例として、ローカルクマリが無断で渡米したケースもある
クマリ信仰は「児童虐待では」との批判も
現在の常識から考えると、クマリとしての生活は少女の自由と教育の機会を侵害する一種の児童虐待として捉えられクマリ信仰はさまざまな批判を浴びています。人権問題として廃止の声や訴訟の動きもあり、2008年、ネワール族の女性が起こしたクマリ信仰の廃止を求める訴訟に対しても、ネパールは国として伝統を守る姿勢をとっていますね。
中世のカトマンズ盆地では、たいていの町にそれぞれのクマリがいたと言いますが、自然と、伝統が廃れた地域もあるとか・・・NHKなどでクマリ退任後のドキュメンタリーなどが制作されていますね。やはり、時代と共に継続は困難となっていくでしょう。
3歳の少女トリシュナ・シャキャ(Trishna Shakya)の写真
スマホで遊ぶシャキャちゃん・・・