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高校卒業後は?
天命を見出した吉藤健太郎さんさんは高校卒業後、詫間電波工業高等専門学校の情報工学科に編入したそうです。
当時、「愛・地球博」が開催されていて、会話ができる人工知能ロボットが注目されていました。
自分が引きこもりの時に話し相手のロボットがいれば自分もあんなに孤独にならなかったのではと思ったのがきっかけで人工知能の研究を行ったそうです。
しかし、「人工知能は人のよきパートナーになり、人を愛し、慰め、癒やす。それにより癒された人間は幸せだ」というそもそもの開発意図に疑問を感じるようになったそうです。
自身が引きこもりから立ち直る事ができたのは、家族、友人、先生などの生身の”人”だと悟ったからです。
そこで、人工知能の研究を続けるか、孤独を癒せる人と人とをつなぐ新しいシステムを開発するかと悩んだ挙句、天命である「孤独を解消すること」を選び、10か月で中退し、JSECのプロデューサーである渡邊賢一さんの勧めで早稲田大学創造理工学部へ進学しました。
コミュ障克服
大学生の当時はまだ人とのコミュニケーションが苦手だったそうです。会話が続かない、人の気持ちが分からない、空気が読めない・・など吉藤健太郎さんはいわゆる「コミュ障」でした。
しかし、人と人の繋がりを作って孤独を解消するという人生のテーマを全うするために克服しようと色んなサークルに入り、飲み会に参加しました。
大学3年生くらいからコミュニケーションが苦手ではなくなってきたそうです。その努力は、すぐにかなったわけではなく、高専時代に作ってから毎日着続けている「黒い白衣」にも隠されていました。
黒い白衣の秘密
吉藤健太郎さんのトレンドマークは高専時代に作ったという「黒い白衣」でしょう。特注で全部で15着ぐらいお持ちだそうです。
この黒い白衣は吉藤さんが快適に使えるよう色んな機能が備わっています。例えば、ICカードのポケットを袖口に搭載したり、大きな傘をコートの内側に入れられたり、ノートPCが入るポケットをたくさんつけたりなど。
夏も変わらずこの真っ黒な白衣を着ているそうです。
自分から話しかけるのが苦手なので、興味を持ってくれた人が話しかけてくれるシステム、つまり全力で待ち受けるというスタイル「黒い白衣」なのだそうです。
ついたあだ名は「オリィ」
あるサークルで新入生にあだ名をつけていて、吉藤健太郎さんについたあだ名は「オリィ」でした。ハンカチ王子が流行っている頃で、折り紙が得意ということで「オリガミ王子」とつけられそうになったそうです。
オリィ研究所を設立
2009年から孤独の解消を目的とした分身ロボットの研究開発に専念し、大学在学中の2011年に遠隔で操作できる人型分身コミュニケーションロボット「OriHime」を開発し、2012年にオリィ研究所を設立しました。
会社概要
会社名 株式会社オリィ研究所
資本金 1億3,982万円
設立 2012年9月28日
事業内容 コミュニケーションテクノロジーの研究開発および製造販売
OriHime どんなロボット?
人型分身コミュニケーションロボット「OriHime」は一体どんなロボットなのでしょうか。
人工知能ではなく人と人を繋ぐ分身ロボットです。スマホやパソコンから世界どこからでも遠隔操作できるロボットです。
例えば、全身不随の人が自分の分身として同窓会に参加することが出来たり、病気の子供が自分の代わりに学校に行って授業を受けてくれたりすることができます。
今まで主流となっていた友達ロボットとは大きく視点が違いますね。どんな動きをするのか見てみましょう。
オリヒメの動画がこちらです。
OriHime 動画
OriHimeのプロフィール
OriHime-オリヒメ-
生年月日:2010年6月22日
自由度(関節数):24
素材:プラスチック&カーボンファイバー
好物:11.1V/1300mA
趣味:Skype
本業以外でも奈良文化折紙会を設立
吉藤健太郎さんは19歳のとき奈良文化折紙会を設立し、折り紙を通じて地域のつながりを生み出し奈良から折り紙文化を発信されているそうです。
では、現在の吉藤健太郎さんはどのように進化しているのでしょうか。20代で失明するかもしれないと医者に言われたことは、有難いことに外れ、現在も孤独を解消するため邁進されています。